詰将棋入門(241) 久留島喜内[5] 横の捨追い趣向

三代伊藤宗看・伊藤看寿の『将棋無双』『将棋図巧』は門脇版『詰むや詰まざるや』のお陰で全貌を知ることができる。同じ時代の久留島喜内の作品は『将棋妙案』『橘仙貼璧』という作品集の名前は知っていてもその内容はなかなか知ることができなかった。
マイナビの『図式全集 将棋妙案 橘仙貼壁』の発行は非常にありがたい。

久留島喜内『将棋妙案』第18番

詰手筋満載で楽しい横追い趣向。余詰があるためか、あまり紹介されていないが楽しい作品だ。
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長編詰将棋の世界(39) 龍の孤軍奮闘

2010.1から3年半続けた詰パラ大学院での解説の再録です。

選題の言葉(2011.6)(抄)

菅野哲郎さんから「やさ院」向けに投稿くださった北欧神話シリーズを出題します。
こちらは普通に手順を解答してください。
かわりに手数をヒントに。51手です。

菅野哲郎「ジークフリート」 詰パラ2011.6


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詰将棋つくってみた(138) 課題29:結果発表(前編)

課題29には12名の方から解答応募がありました。
「少ない」とtweetしたら駆け込み解答がどっときて2桁になりました。
いつもありがとうございます。

課題29:持駒に香のある11手以下の詰将棋を作ってください。

まだ解いていない方は課題29.pdfをどうぞ。

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詰将棋つくってみた(137) 課題29:講評

Judge:駒井めい

最優秀作

第12問 kisy

正解
45香、同玉、57金、35玉、47金、44玉、
45香、同玉、35馬、同香、57金まで11手詰

 6手後に初形から金を一段上に移動させた局面が現れる。作意だけ眺めた人にはこれが不思議なやり取りに見えることでしょう。金を移動させる手段がバッテリーの組み替えというのも面白い表現。
 玉が44か45のどちらにいるかが重要で、玉が44の地点にいる状態で57金と馬の利きを遮ると、33玉と逃げられて24馬が実行できない仕組み。これが香を最も近くから打たなければならない理由にもなっている。
 重要な役割を担っていた馬を捨てる手も入っていて申し分のない手順。高度な狙いを、緻密ながら明快な仕組みで実現したところも素晴らしい。
 10手目は同香とするのが恐らく作意で、最終手57金の開王手で詰め上がり。これは最後の1手まで狙いを表現していて明快だ。10手目に同玉とする変同をどう見るかは議論が分かれるところだろう。この変化は駒余りで割り切れていた方が良いと思うが、これに手を加えようとすると作品全体のバランスを崩しかねず、簡単ではなさそうだ。

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風みどりの詰将棋と関係ない話(50) オイラの孫悟空(3)

中野先生訳の『西遊記』を第3巻まで読んだ。
これで以前読んだ第4巻以降と繋がるから、溜まっている「次に読む本」にいけるかと思いきや、やはり第4巻を手に取ってしまう。

これは仕方がない。
3巻の終わりは孫悟空が真面目に仕事をしているのに上司の三蔵にそれを認めてもらえず、猪八戒の讒言で破門になってしまう。
まさにここで読者に悟空への同情を集める段取りのくだり。
一方で戦力ダウンの三蔵一行は妖魔に破れ、三蔵なぞ虎に変身させられていまにも王さんに殺されそう。

続きを読まないわけにはいきませんな。(もう忘れているから)
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