第8回 三手詰祭 結果発表(3)

第11問 奥鳥羽生

正解 34飛、同玉、44金まで3手詰

◇飛角玉の利いているところにポトンと飛車を投下する。どれで取っても金打ちまでの1手詰! この初手の効果の大きさが「焦点の捨駒」の醍醐味だろう。
◇飛車を残して金を先に捨てては駄目なのか? それは同角のときだけ困るのでした。

 中村丈志 贅沢な捨て駒。
 占魚亭 必殺の焦点打。
 まつきち 焦点への豪打34飛。
 小林敏樹 飛角の焦点打の基本。
 negitaou 飛車捨てが爽快ですね。
 ぎょうざパン 焦点への捨て駒はいつも気持ち良いですね

第12問 松θ拓矢「ネピアの数」

正解 27角、18飛(成)、28金まで3手詰

◇タイトルがヒントという松θさんのシリーズ。初見の方のために解説しておきますと、ネピアの数 \(e=2.718281828459045\ldots\)を棋譜で表そうという趣向です。
★★★

 まつきち 2.71828
 中村丈志 捨て駒は無いが好きな味。
 ぎょうざパン 駒余りを防ぐ移動合が良いですね
 奥鳥羽生 狙ったか それとも後で どっちだろ
 松崎一郎 ネピアの数(e)の中編に期待します!
 占魚亭 数学ネタ。タイトルで着手地点がバレバレです(笑)
 空 貴人 角の限定移動、飛車の移動合いとピン止め、凝らされた技巧を感じる好作。
 小林敏樹 これで覚えられる。πとセットで壁に飾りますか。このシリーズは他にもあるのだっけ?
◇別のお店で\(\sqrt{2}\)も見た記憶が。\(\varphi\)も作っていそうですね。本人がお答えください。

第13問 松θ拓矢

正解 45龍、同銀、76馬まで3手詰

◇こちらは正統的な(?)三手詰。両王手のかかる危険地帯へ誘う45龍。
★★★

 松崎一郎 竜馬がゆく。
 ぎょうざパン 初手、上手い!
 hiro 大駒を小さく使う。
 まつきち 45龍は爽快な一手。
 中村丈志 変化の詰上がりも良い。
 negitaou 両王手の手順も好きです。
 奥鳥羽生 上か下 貴方の態度 聞いてから
 菊田裕司 よくある筋だが無駄なくできている。
 占魚亭 龍・馬の1マス移動。受方銀を移動させて65地点への利きを消す。
 小林敏樹 95龍を香に出来るので、縦型にしたバージョンが多く作られています。

第14問 風みどり

正解 38馬、同龍、28角まで3手詰

◇28馬がいなければ39角までの1手詰。27馬と捨てると同桂成で守備が強まるので38馬と捨てます。
★★★★

 まつきち 邪魔駒消去で渋滞解消
 奥鳥羽生 角曰く 貴方の横に 居たいのよ
 ぎょうざパン 2手目の変化がどれも面白いです。
 占魚亭 角の盾。応手の違いで移動距離が変化。
 稲月健一 2手目の応手によって角の移動先が変わるのが◎。
 negitaou 作意手順と変化手順で、角を開く位置が違うのが面白いです。
 hiro 3手目の角は2手目同龍ならば1マス、それ以外は2マス動く。
 小林敏樹 おお。変化利用で角の移動場所2か所。15を空けて26角までの変化も欲しいところ。さらにもう一つ変化をつけたら、こんな風になりました。

◇金の配置はすぐに行き詰まって王にしたんですけれど、自然にできていますねぇ。流石です。

第15問 奥鳥羽生

正解 34龍、同玉、25馬まで3手詰

◇54玉は絶対に許せないので34龍はその後の展開を読んでいなくてもこの一手。同とは32馬まで。

 negitaou 攻方・馬が大活躍!
 ぎょうざパン 54の歩を守る初手が良いですね
 まつきち 飛距離の大きな捨て駒はインパクトがある。
 小林敏樹 とても印象がいい。配置がきれいだからかな。
 hiro 3手目の馬は2手目同とならば32、同玉ならば25へ。
 占魚亭 54歩を取らせない。ガツンとした感触の初手が良いですね。

第8回 三手詰祭 結果発表(1)

はじめての方からも解答をいただいてうれしいです。
この企画は「チョー入門」カテなのですが、本当に詰将棋に慣れていない方には三手詰でも一気に34問は大変ですよね。
でもやはり一気に解くから楽しめるという面もあるわけで……。
う~ん、上手い方法があるかなぁ?

ま、とりあえず解説は細切れで行きます。

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長編詰将棋の世界(43) 龍追いルートに龍鋸

2010.1から3年半続けた詰パラ大学院での解説の再録です。

選題の言葉(2011.7)

今年は詰将棋作品集が豊作だ。すでに「新約・神詰大全」、「四百人一局集」、「月下推敲」等が発行されている(はずだ)。特に「四百人一局集」は厚みに比例した読み応えのある内容で、今後30年は最も数多に紐解く詰棋書になることは間違いない。
これを機会に全詰連書籍部が活発に活動を始める事を期待してしている。書籍に纏めるというのは意義ある仕事だ。儲からない仕事だから全詰連の出番だろう。スタッフの手弁当に頼る現状は改善されなくてはならないが。
今月は新進気鋭の超長篇。手数は合わせて738手。しかし、読者諸賢はやさ院で「超長篇必ずしも難解ならず」とご理解頂いているはずだ。手順は上手く略記してください。

深和敬斗「宙船」 詰パラ2011.8改

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高木秀次『千早城』に登る(32)

※この連載は風みどりが1題ずつ高木秀次作品集『千早城』(1993)を読んでいくものです。

第32番 

 本作は出典についての記載なし。T-Base で調べてみたがヒットしない。(どなたかから教えてもらえるのを待とう(怠惰な姿勢))

 結論から書いてしまうと、本作は非常に易しい。以下を読む前に自力で解いてみることをお勧めする。(詰将棋解答選手権2024で1点の)私でさえ殆ど渋滞することなく作意には到達した。
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角建逸さん安らかに

もう昔のことなので曖昧な記憶ばっかりだ。
それでも思い出したことを少し書き連ねてみよう。(ここに書けば間違った記憶はどなたかが訂正してくれる)

 私は同い年の小林敏樹さんと高校で出会って詰将棋に目覚め、その高校の大先輩だった妻木貴雄さんに鍛えられた。
前後して原敏彦さんから誘われて田宮克哉さんの詰朗会や森田正司さんの詰将棋研究会に参加し、ますます詰将棋の沼にはまり込んでいった。
角さんは我々よりは少し年上だった(申棋会よりは若い)が、詰研に顔を出し始めたのは少し遅かったように記憶している。
出会いはその詰朗会か詰将棋研究会か。
添川さんとよく連んでいたような記憶がある。(そういえばもう何年も添川公司作品集を抱きかかえたままだったが)
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第8回 三手詰祭

久しぶりの三手詰祭です。

おとそ気分でお楽しみください。
全34題。(1局2解がありますから35局分と言えますか)

  • 解答募集します。
  • 解答は好きな作品の番号を書くだけでOKです。5つ以内でお願いします。
  • 気に入った作品には短評をお願いします。作品提供してくれた作者のために是非よろしく。
  • 解答送り先:kazemidori+fes@gmail.com
  • 締切:1月22日(水)
  • 賞品:1名様に豪華賞品、1名様に粗品進呈。

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2025年の予定

みなさま あけましておめでとうございます。

2025年の出版予定は…

  • 『植田尚宏の詰将棋450』
  • 『詰将棋つくってみた2023-4』
  • 『原島利郎の詰将棋421』
  • 『珈琲片手に–井内直紀詰将棋作品集–』
  • 『塩野入清一作品集』
  • 『徒然草–大井美好詰将棋作品集–』

の6点です。
『詰将棋つくってみた2023-4』は『詰将棋つくってみた2021』『詰将棋つくってみた2022』と同様にオンデマンド出版になります。

また『詰将棋ファン第5号』『詰将棋解答選手権2025』のお手伝いをすることも決まっています。小林尚樹さんや角建逸さんみたいな職人芸の仕事はできませんが、よろしくお願いいたします。

ブログの連載やおうえん会員向けの特典小冊子の書籍化もいくつか計画があります。今年は『奥薗幸雄研究』と『香剥総浚』を形にしたいと考えています。

本年もつみき書店をお引き立ての程よろしくお願いいたします。


2025.01.10 一部削除

2024年のふりかえり

今年の元日に発表した活動予定は以下の通りでした。

2024年の出版予定は…

  • 『雨滴』
  • 『私と詰将棋』
  • 『珈琲片手に』
  • 『詰将棋つくってみた2022』

の4点です。

『私と詰将棋』、『雨滴』、『詰将棋つくってみた2022』の3冊を上梓することができました。ほぼ予定通りといって良いでしょう。
『珈琲片手に』井内直紀作品集は現在168局。どうも200局を超える見込みということで鋭意創作中です。これは来年には完成するでしょう。

4月以降は中断しているブログの連載も何本かは再開できる見通しです。いくつかの連載と、おうえん会員向けの特典小冊子のいくつかはブラッシュアップしてオンデマンド出版までもっていけたらと考えています。

一旦中断した連載はなかなか再開するのが難しく、三手詰祭と千早城、長編詰将棋の世界、そして詰将棋雑談の内部連載だった香剥総浚をやっと年末になって再開しはじめたところです。
(よく毎日更新なんてできたものだと、今から思うと不思議)

後半のブログや特典小冊子から書籍化するという方針は、一つだけ『近藤孝研究』が成果として纏まりました。

4月から出稼ぎ仕事も一切辞めて、書籍編集に専念したのですが、あまり昨年以前と変わった感じがしません。歳を喰った分、身体(特に脳味噌!)の不調も頻発してくるので、こんなものかもしれません。

来年も、つみき書店をご贔屓のほど、よろしくお願い申し上げます。

皆様が良いお年を迎えられますように!

詰将棋で遊びましょう